10月例会

日時 令和6年10月11日(金)19:30~20:30

会場 みしまプラザホテル

講演

目次

地域連携による新たな事業創出事例

~産業支援機関による持続可能な地域連合モデル~

株式会社増山達也 代表取締役
株式会社 Revitalize チーフビジネスプロデューサー

増山達也

10月例会は、㈱増山達也代表取締役の増山達也氏をお招きして「地域連携による新たな事業創出事例~産業支援機関による持続可能な地域連携モデル~」という演題でご講演いただき、40名の会員が聴講しました。

増山さんは、日本各地で中小企業支援のビジネスプロデューサーとして、数多くの新規事業創出を手掛けるとともに、1991年には三井信託銀行㈱に入社され静岡支店に勤務、2002年には㈱TOKAIに入社。2023年度まで在籍した有限責任監査法人トーマツでは、富士市地域産業支援センターの事業者支援業務を富士市から受託するなど、県内の行政や企業の状況にも精通されています。

今回は増山さんから、その経験に基づいた連携の仕組みづくりなどを学び、私たちの見識の向上と新規事業創出の手助けとなるようなヒントをいただきたいと考え企画しました。

まず、日本や静岡県の人口減少の進行が「若手人口」の強烈な減少をもたらす結果、これまでの社会の様々な前提が崩れ、企業は内需から海外への販路開拓、生産性の向上、自社ブランドの向上などの対策を迫られることを指摘されました。

現在、日本の会社の99.7%を占める中小企業は、国内外への販路強化・開拓販路開拓、高付加価値化・新事業開発を経営課題と考えているが、これらのために設備投資や研究開発投資を行う企業は、長期的に見れば成長につながっているものの、すぐには成果が出ない現状も指摘されました。

このような現状を踏まえ、これまでの国や県、公的な地域産業支援機関と密に連携し、横串を通す役割を担う「民主導のBPプラットホーム」が、地域の中小企業に対して、高度な専門知識の提供や、人材派遣・支援人材の育成などの徹底的な伴走支援により成果にコミットし、事業変革、事業統合、DX推進等、これまで地域に不足していた知見を提供する新たな仕組みについて解説していただきました。

そして、「民主導のBPプラットホーム」が持つ高度な知見による斬新な発想やものの見方が、これまで企業が生かし切れていなかった、商品の知的財産の活用や新たなストーリーの構築を引き出し、販路拡大につなげた事例をいくつか紹介していただきました。

  • 静岡市のマコジャパン㈱:

「常温常圧濃縮」技術による無添加・濃縮フルーツソースの製造販売を行っているが、品質は高いが認知度不足のため販路拡大につながらない。⇒ビジネスプロデューサーが複数の世界的有名シェフに商品を紹介しお墨付きを得ることで認知度とブランド力を向上させ、販路拡大につなげた。

  • 静岡市の㈱山崎製作所:

和服のアクセサリーという和テイストの強いかんざしは、需要拡大が難しい。⇒ビジネスプロデューサーが、洋テイスト要素の構築を目的に海外展開を提案し、同社が、女性の視点を取り入れて板金加工を施した「KANZASHI」を開発し、海外への販路拡大を進めている。

  • 福島県郡山市の㈱アサヒ研創:

伝統的工芸品のうちわの販路拡大策について検討する。⇒ビジネスプロデューサーが郡山市とも連携し、地元プロバスケットボールチームの応援グッズとしてのうちわの新たな用途を提案し、全国販売につなげた。

例会終了後には、会員交流委員会主催の会員サロンが三島市内の「ゆうが」で開催され、20名が出席しました。
増山さんを囲んで、これまで増山さんが手がけてきた企業支援の事例などについて活発な質疑や意見交換が交わされましたが、増山さんによると、その後、何名かの会員から経営相談などが寄せられているとのことでした。

経済委員会 後藤 淳

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