2025年1月 公開セミナー
人口減少時代に。
新たな東部の広域連携を目指して
■日時/令和7年1月22日(水) ■場所/プラサヴェルデl 階コンベンションホールA-l
これからの日本は、超高齢化社会に移行し急激な人口減少を迎える時代になります。東部全体の経済が成長し、持続可能で豊かな地域社会を創出して行くためには、東部全体の戦略が必要と考えます。中核市にも満たない各自治体とその町の経済界が行政区域の枠を超え「広域連携」することにより、東部全体の防災・医療・福祉・教育・観光・商業・交通道路インフラ等を豊かなものに躍進させます。または、風光明媚な土地柄で首都圏へのアクセスの良さを利用して、二地域居住の創出・拡大を目指します。そして行政の壁を越えて地域の人々と、多様に関わる新たなイノベーションを生み出すことで関係人口が増え、東部全体のウェルビーイングを加速し充実させて行きたいと思います。
第1部 基調講演
『地域活性化のための「共創」の意識と実践』
事業構想大学院大学 事業構想研究所
社会構想大学院大学 社会構想研究科
産業能率大学 経営学部(兼任教員)教授
河村 昌美 氏

第2部 パネルディスカッション
『2地域居住時代・到来-行政境を超えて活躍するヨソモノを共有せよ!』


2024年2月 公開セミナー
スポーツと地域 ~どうする県東部~
■日時/令和6年2月7日(水) ■場所/プラサヴェルデl 階コンベンションホールA-l

スポーツによる社会開発
参議院議員 橋本 聖子氏
健康というのは心と体の両方が健康でなければ言えません。成長に関しては右肩上がりの成長を遂げていくという時代は終わったと思います。どれだけ持続可能な社会を築いていくかという成長でなければいけない、そして繋がりだと思います。
スポーツ研究所を文科省の力によって、 国の力によってスポーツ界が非常に効果を上げてきました。健康寿命が延伸される地域や静岡はスポーツ圏であり、素晴らしい観光立国でありますので、スポーツと観光と食、こういったことを結び合わせて、医療がついて、そして付加価値をつけた新しい健康産業というものを生み出していただきたい。
そのことをスポーツ政策の中で一生懸命に実現をする、地域と自治体と連携をして頑張ってやっていきたいと思いますので、ぜひこれからもご指導賜りたく思っております。

身近なスポーツが地域を支える〜世界と日本の違い〜
元NHK アナウンサー法政大学教授 山本 浩氏
スポーツをやっていて悔しいというのはどこから来たのか。その要件はなんだったのか。
他と比較をしたのか、自分の過去を振り返ったのか、これから先どんな目標設定ができるのか。こういうことを実際に分析した上で初めて、この悔しさみたいなものは次のステップになっていきます。
選抜の際にその方法をしっかり知らしめていることは非常に有意義です。
負けて悔しいという怒りのエネルギーを次なるパフォーマンスに転嫁できるのかどうか。 地域への期待というのは、 多様性の発揮の場であることや失敗に対する寛容な精神を育むことであります。選抜に終始しない受け止め方で何よりもかけがえのない空間であることが望ましいでしょう。そして市場を拡大していく、スポーツというのはどの分野にも邪魔をしないものだと思いますので、こういったことの視点で考えていただければありがたいなと思います。
スペシャルディスカッション
「スポーツと地域〜どうする県東部!〜」
⃝パネリスト
山本 浩氏
鈴木 康友氏(元プロ野球選手.独立リーグ監督)
良知 正浩氏(焼津CITYユナイテッド代表)
川瀬 一隆氏(静岡経済同友会東部協議会代表幹事)
⃝司会進行
NHK静岡放送局 大窪 愛キャスター

川瀬代表
コミュニケーションは非常に大事で、例えば 野球観戦やサッカー観戦に行きまして、横に全然違う方が座っていても試合が終わったら同じ応援チーム同士で親しくなる。
今日もわずかこの短時間の中で、皆さんと話をしながら、新しい気づきというのは生まれてきました。今後も皆さんとコミュニケーションを広く繋いでいきたいです。すぐにこの地域との連携とまではいかなくても 応援する力を使って点と点を広げて整備しながら、東部地域の 魅力の中にスポーツっていうもの是非入れていきながら応援していきたいと思います。
2023年2月公開セミナー
with コロナ社会においで幸福を感じる地域未来を描く
~新たな幸福の価値観が地域社会を変える~
■日時/令和5 年2 月8 日(水) ■場所/プラサヴェルデl 階コンベンションホールA-l & YouTube配信
基調講演
タンヤ・カトリーナ・ヤースケライネン氏(駐日フィンランド全権委任大使)
「幸福度5 年連絞世界1 位の理由」
今年度の静岡県経済同友会東部協議会のテーマ「Withコロナ社会において、幸福を感じる地域社会の未米を描く」において、東部協議会では、幸福という概念や価値観を学ぶため、幸福度5 年辿続•IIt界1 位のフィンランドに1 年間焦点を当て勉強してきた。公開セミナーの碁調講演にて、フィンランド大使館に講師の派遣をお願いしていたところ、特別な計らいで、大使自らにご講演頂く運びとなった。
ヤースケライネン大使は、1967年フィンランド生まれ、1995年フィンランド外務省に入省し、ハンガリー、シリア、英国の駐在。来日直前では、政治局副局長としてフィンランドのNATO 加盟申請に携わった。2022年9 月駐日 フィンランド大使に着任。夫と共に来日、3 人の子の母でもある。
世界幸福度報告とは、世界156か国が国民の幸福度をランク付けされるものである。それぞれの国民に同じ質間で、自分の生活を最高から最悪まで10段階の評価を行う。主観的な質問の回答に、政権への信頼、民主主義の質、人口当たりGDP、健康寿命、社会的支援利用、選択の自由度、社会的寛容度、腐敗のない社会など潜在的要因を参照してスコア化する。フィンランドは、2018年以降5年連続でランキングl位となっている。
世界的繁栄4 位。
国民全てに健康管理と収入保防が約束されている。人口当たりのGDPのみでは幸福度を説明できない。
世界で最も安定している国1 位。
幸福の基盤であるフィンランドの社会は、幸せになるための仕組みが整っている。良い統治は幸福の要である。投禦率、立法府の独立性、議会における女性の議席数では世界で•J11文も優れたガバナンスを持つ国である。政治・社会・経済の団結力も安定している。100年前から政府は党派を超え協力し合い、長年にわたり政治が安定している。世界で被も汚職が少ない国でも評価されている。
制度・公的機関への信頼3 位。
警察への信頼は高く90%以上の支持を得ている。デジタル社会に対する信頼も高い。健康管理のカードは全てデジタル化され医者・患者・薬局が共有しており、医者が変わっても同じ診察を受けることができる。銀行取引もオンラインで行われ、税務局と繋がっており、オンラインでの税務申告し納税が可能で、自宅で子供が寝た後でも手続きができる。
自国民を信頼できる1 位。
国民の85%が自国民を信頼できると同答している。赤ちゃんが外で昼寝し、子どもたちが自分たちで通学できる。公平かつ平等であれば自ずと信頼が得られる。
包容社会2 位。
社会的権利と平等を非常に重視している。障告の有無、性別、出生地による差別はほとんどない。マイノリティに対する包容社会1 位。差別や暴力はほとんどなく、性的マイノリティも広く受け入れられている。
ジェンダー平等2 位。
平等に対する強い取り組みが無ければ世界一にはなれなかった。
母親の働きやすい国3 位。
労働人口の約50%女性である。保育にお金がかからず、出産育児時に権利が守られ、キャリアを継続できるからである。これは100年にわたり女性議員の議席数を確保してきたことが要因のひとつ。
ワークライフバランス1 位。
育児休暇、フレックスタイム、テレワークが允実しており、子育て中の両親以外でも、仕事とプライベートが簡単に両立できる。1 日10時間以上仕事をすると周りから仕事の効率が良くないと思われてしまう。若手の外交官は5週間ホリデーを取得できている。職場でも家庭でも男女平等で80%の男性が育児休暇を取得している。父親が母親より学齢期の子どもと過ごす時間が、先進国の中で最も長い国である。
◆母親になるのに最も適切な国2 位。
出産前の無料ケア、育児休暇1 年間の取得ができ、ネウボラ(産科と小児科の全国ネットワーク)で無料で相談アドバイスが受けられる。全ての赤ちゃんが平等にスタートをきる(生まれた時からの幸せ)。1938年からマタニテイパッケージ(育児用品セット)を配布している。子どもの権利を守り、尊重し、継続的な改善に取り組んでいる。
◆教育へのアクセス1 位
幼稚園から高等教育まで授業料は無料なので、全ての人に大学に通う権利がある。1940年代から学校で温かいランチを提供している。これはジェンダー平等の点からも、母親がランチを作らなくて済むので、母親のキャリアを築くことができる。教育は、学校を卒業しても生涯学習として職場や外部でのスキル向上をサポートしている。
◆きれいな自然1 位
常に身近に自然があり、自然に親しむことで健康を育む。きれいな水、汚染されていない空気、森林などは健康や幸福に大く買献している。将来にわたって自然環境を守るため持続可能な開発を優先している。
まとめに、幸福は一つの要素でできているのではなく、色々な要素でできています。幸福は私たちの心が幸せなのかではなく、社会が私たちを幸せにしている。
パネルディスカッション
「With コロナ社会において、幸福を感じる東部地域の未米を描く」
■ コーディネーター
大野哲廣氏({惟岡経済同友会東部協議会代表幹事)
■パネラー
高野翔氏(福井貼立大学地域経済研究所准教授)
越前市総合計両審議会会長、福井市及び永平寺町のまち・ひと・しごと創生総合戦略有識者委貝
ウェルビーイングの概念を自治体政策活用する研究とウェルビーイングを培進するまちづくり活動を実践。2009-20年J ICA(国際協力機梢)にて、約20 ヶ国のアジア・アフリカ地域で持続可能な国づくり・地域づくりのプロジェクトを担当。2014-17年には、ブータン王国にて、人々の幸せを国是とするGNH (Gross National Happiness) を軸とした国づくりに協力。
中屋香織氏(A Lami Stay le代表ライフスタイルデザイナー)
キャリアアップと家庭の両立を目指したが乳がんを患い、本当に幸せな住まい方を追及。自身のライフスタイルを見直した結果、首都圏から熱海市に移住。13年間携わった不動産業界での知識と移住経験をいかし、今のライフスタイルに違和感を持つ人へ自分らしく暮らす相談とサポートを行う「ライフスタイルデザイナー」として独立。移住・ライフスタイル・住居探しへの相談が後を絶たない。
山形与志樹氏(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)
国立環境研究所・地球環境研究センター・主任研究員として地球温暖化対策研究に取り組む。国際学術プログラムの国際オフィス代表、国連気候変動パネル代表執筆者、日本学術会議連携会員(環境)などを20年間歴任。気候変動対策、生態系サービス評価、土地利用ー交通システム、都市の都市持続可能性に関する閑境省やJST等の研究プロジェクトを推進中。
東部地域の未来を「幸福」という切り口で、パネラーそれぞれの視点で、ウェルピーイング、生活スタイル、社会インフラなど多彩な意見が交換され、非常に参考になる充実したパネルディスカッションとなった。
