第36回全国経済同友会セミナー
36回全国経済同友会セミナーが福井市内で、2024年4月18日~19日の2日間開催された。全国から約1200名の参加者が集い「どうする!人口減少NIPPON」を総合テーマとして、1日目は第1・第2のパネル討議と懇親会、2日目には第3パネル討議と特別講演が行われた。
初日冒頭
金沢経済同友会の砂塚代表幹事から能登半島地震の被害地の現状について、発生から4か月が経過してもがれきの撤去が全然進んでいないと報告があり、「同友会として行政や他の経済団体と連携し、復興を成し遂げるまで後押しをする」と決意を語った。まさに伊豆半島を抱える東部協議会は、他人ごとではないと痛感した。
第1セッション
「人口減少社会の将来展望と課題」をテーマに第1セッションが行われ、元総務大臣の増田寛也氏(日本郵政社長)から問題提起を発言「経済人や有識者からなる人口戦略会議は2024年に公表した人口ビジョン2100」で、わが国の人口を(76年後)6300万人でなく8000万人で安定させようと提言された。その実現には、「国民全体で危機意識を共有できるかが課題」で社会保障の仕組みの変革、DXや女性活躍などによる労働不足への対応、若い女性の地方から東京への転出超過の是正を語った。次に山崎史郎氏(内閣官房参与 社会保障・人口問題)は、「雇用対策が人口減少には効いてくるので経営者の判断が非常に重要である」とし、特に女性の就労支援については「子育て期にはドイツのように短期間の正規雇用を認めるような働き方改革が必要だ」と説明された。また青柳俊彦氏(JR旅客鉄道会長)は「結婚促進や女性の家事育児の負担軽減に対する企業の役割は大きい」と語り人口減少には特効薬はないので経営者が自分の問題として取り組みを積み上げて行くことが大切だと語った。
第2セッション
「人口減少時代の企業経営を考える」をテーマに人手不足の課題に対し、「従業員のエンゲージメントの向上」を推進して高い組織の実現、人材の定着と企業業績・生産性アップにつなげる経営戦略の重要性を林正博氏(福井銀行会長)、松江英夫氏(デロイトトーマツグループ執行役)、堀川大介(日本電気執行役)のパネリスト3名が事例発表を通して説明された。
第3セッション
「今、あらためて地域創生を考える」をテーマに三つの方向性に分け ①仕事づくりによる雇用創出(後継者不足や経営者の世代交代への対応)、②子育てしやすく住みよいまちづくり、③DX推進による効率的なサービスやインフラの運用、の分野に捉えて3名のパネリストが取り組み事例を発表し意見交換を行った。
特別講演
曹洞宗 大本山永平寺 副監院 西田正法氏よる「貪(とん)から貧(ひん)へ」~生き方の転換~の演題で、人からむさぼ(貪)り奪う人生ではなく、人に与え尽くす人生(貧)をおこなうべきだと講話をされました。
急激な人口減少問題に、経営者として後継者問題を含めどのように対応して行くか、ヒントを頂き大変有意義な時間を過ごさせて頂きました。ありがとうございました。