4月例会

記念公演 県東部における人口流出と対策 ―移住・定住、二拠点居住を中心に―

(一財)静岡経済研究所 阪口 瀬理奈

昨年11月16日に静岡版「未来選択会議」で、「地方の人口減少をどうするか~二地域居住を考える~」と題して静岡協議会主催で討議されました
討議の中でファクトに基づいた情報を提示された阪口様を、当会から出席された会員から講師としてお招きしてはどうかと、多くのオファーがあり、4月例会の記念講演の講師としてお招きしました。阪口様は関西出身で、デジタル化・IT化をテーマにした講演依頼が多いそうです
阪口様は東京以外で働きたいと思い、仙台か静岡かを検討し、気候が温暖で出張で訪れることが多かったこともあり静岡を選択されたそうです。

例会の演題は「県東部における人口流出と対策 ―移住・定住、二拠点居住を中心に―」。

20年ですべての市町で少子高齢化は加速しました。沼津市と西伊豆町は人口規模・産業構造も違うため、単純に比較できませんが数字だけ見れば、今の沼津市は20年前の西伊豆町の人口構成に似ている。20年経つと沼津市は今の西伊豆町の人口構成になると想像できる。

少子高齢化が加速している一番の理由は、首都圏に転出した若者が戻ってこないからです。

静岡県内の全大学の入学定員数を足しても、静岡県内の進学者数を満たさないため、県外に出さざるしかない。首都圏に進学した学生は7割戻らず首都圏で就職しているが、県内に進学した学生は8割が県内で就職している。

進学を首都圏にしてしまうのは止められないし、そのあと首都圏と静岡では産業構造が違うため、希望する職種がなく県内で就職しようとしても帰って来れない学生が多い。

静岡で暮らしてくれなくても、静岡に関わり続けてくれれば良いと思う。

今回のテーマとして注目したいのは二地域居住。東部地域は東京に凄く近く、二地域居住に適している。首都圏の移住関心層の特徴は現状の生活に切実な悩みがなく、移住についても現在の環境の延長戦として考える傾向がある。

そこで、二地域居住しやすいタイミングである若手社会人・退職後の人々に、首都圏の暮らしより便利で、より子育てがしやすい環境であると現状の延長戦で戦うか、またはマイカーで趣味が満喫でき、憧れの広々としたマイホームが持てるなどライフスタイルチェンジを伴う移住を提案すべきである。

静岡はポテンシャルが高い。

三島市の移住支援サイトは転職無き移住。西伊豆町は憧れのリゾート暮らし。

静岡県は広いのであらゆるニーズに応えられる。

静岡県の気質は全国平均でみても決して保守的ではなく、移住者ウェルカムの雰囲気がある。

静岡大好き関西出身の阪口様から静岡愛を積極的に発信してほしいと、我々にエールを送られ講演は締めくくられました。

静岡経済研究所 特任研究員
阪口 瀬理奈 様
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